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八王子の南、絹ヶ丘に、地域ではじめてのグループホームとして設立されたのが「コスモス」です。
  
2006年、知的障がい者が地域で普通の暮らしができることを願い、元施設職員、養護学校の元職員、幼稚園経営者、地域の民生委員等が集まり「NPO法人はな」は生まれました。当時は八王子市の南部地区には知的障がい者を対象とするグループホームはなく、地域の作業所等と連携をとりながら最初のユニットとして、2007年に「コスモス」を立ち上げました。

さらに入居希望に応えるために、2009年に「たんぽぽ」を、2013年に「りんどう」を立ち上げて、全3ユニット、14人の入居者を擁する規模となりました。2015年9月には東京都に代わって中核市となった八王子市による指導監査の実地検査があり、「指摘事項なし」の評価を頂きました。

2016年12月には新ユニット「あじさい」を初めて新築建物でオープンしました。この建物は生活のプライバシーを保ちながらも、同時に内部の暮らし気配が街の人々に感じられるような開放感があり、利用者さんたちが地域の人々と交流しやすい住居として、2017年度グッドデザイン賞を賜りました。当時はこのような小規模な福祉施設が、デザインの賞を得ることは考えられないことでした。その後もこの建物は、広い食堂を昼間に自治会や老人会の会合に使って頂いたり、夏祭りでは、毎年かき氷係を利用者さんたちが担当して、にぎやかに地域参加につとめています。
 
また、ユニット「たんぽぽ」も2019年6月に新築の建物へと移転しました。幸いなことに、こちらの建物も2020年度グッドデザイン賞を賜りました。加えてグッドデザイン賞審査委員 山崎健太郎さんに「私の一品」にも取り上げて頂きました。

最初のユニットである「コスモス」は2021年、同じ町内の富士山が望める丘の上の新たな建物に移転しました。この新コスモスには畑を併設し、職員さんと利用者さんの有志が、地域の方々にも手助けを頂きながら手間をかけて野菜をつくっています。こちらの建物は2023年度グッドデザイン賞においてベスト100に選ばれました。

2021年には複数のグループホームを地域の中で連携して運営するというアプローチが評価され、ユニヴァーサルデザインに対する世界的な賞であるIAUD国際デザイン賞2021にて銀賞を賜りました。他の受賞者の殆どが国内外の名だたる大企業や研究機関や公共団体の中、私達のような小さな団体の取り組みが選ばれたことは望外の喜びでした。

そして一連のグループホームは「まちの中のグループホームズ」として、日本医療福祉建築協会様より医療福祉建築賞2023を賜りました。同賞の歴史で最も小さな規模の受賞建築です。医療福祉建築賞の趣旨については次の様に記されています。
「優れた医療福祉建築とは、建築として質が高いことに加えて、利用者側ならびに職員側にとって快適で使い勝手がよいことを条件とする。すなわち中身と器が調和し、いずれにおいても優れていることを意味するものとする。」
 
地域社会の中で普通に暮らす、ということは、どういった暮らしなのでしょうか? 

 
私たちが目指していることは、利用者さんが、大人としての尊厳をもって、地域に溶け込んで暮らしていくことです。まずはグループホームが、シェアハウスやケアハウス等ではなく、ホームと呼べる場であること、そして修行の道場などではなく、ありのままのみんなが、お互いを尊重し合いながら仲良く暮らしていける居場所となること、そしてグループホームが隠れ家でなく、ファミリーとしてみんなで地域に参加していけること、を目標に支援を続けていきたいと願っています。

絹ヶ丘
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